今まで自分から誘ったことはなかった。これから先も絶対にないと思っていた。
剣を振る背中が目に焼き付いている、この熱が冷めないうちに俺を抱けと言ってしまいそうで、サンジはゾロの手を放り出すようにして立ち上がり背中を向けた。

 鍋のふたを取り、浮いているアクをアク取りで丹念にすくう。スープの味を決めるこの作業に集中しようとすればするほど、背後のゾロの気配に敏感になる。

 ガタッと椅子をずらす音がし、足音が近づいてきた。

 ゴツイ手が後ろからサンジの腰をつかんだ。耳元で低い声がする。

「やらせろ」
「・・・お前ってさァ、女の子相手でもそうなのか?セクハラっつーか、キョーハクだぜ、お前が言うと。」
「テメェは女じゃねェだろうが。」
論点がズレていることを指摘したかったが、シャツのすきまから肌に触れてくる指が予想外に冷たくて心地よく、言葉は飲み込まれたままになった。

 かすかな音を立ててベルトのバックルが外れ、ゾロの右手が下着の中にすべりこむ。素知らぬ顔でアク取りを続けようとしたが、立ち上がりはじめた自分自身が邪魔をする。下着とズボンをまとめて膝まで引き下ろされ、布でこすられた先端に刺激が走り、こらえきれずに声がもれた。

 明るいキッチンで下半身を裸にされ、万一他のクルーが起きてきたらという不安と、認めたくない興奮で体温が上がりそうな感覚。そのせいか、ゾロの手にくるまれた性器は敏感に反応している。
自分自身が分泌した体液にまみれて脈打ち、どんどん硬さを増していく。
いつの間にかサンジは、両手でシンクの縁を握りしめていた。

「油はいらねェみてェだな。」
粘度の低い体液を潤滑剤代わりに、ゾロはサンジの体内に指を埋めた。
「う・・・」
2本の指が内壁を押し広げ、こすりたて、狭い部分をほぐしている。前後からの刺激で、サンジの膝はガクガクと震えた。
「そこ触ンなっ、あ、ぁ・・・んっ!」
前立腺を一瞬強く押し上げられ、イク寸前の快感が全身を襲う。指を締め付けられて、ゾロは軽く顔をしかめた。
「もう入れるぞ、オマエ我慢できそうもねェし。」
「・・・ンだとコラァ!」
「ほんとのことだろーが」
サンジはむかつく剣士の足を思い切り踏んでやった。
「あいてッ!」
乱暴に指を引き抜いて、ゾロは自分の怒張を温かい粘膜の中に突き入れた。



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